コブラ・マーキュリープロジェクトVol.5 - 那須PSガレージ

何だかんだで、ひと月経ってしまいましたが、ロスに行って現車を前にして、ミーティングを行ってきました。

ロス郊外にあるディーンのファクトリーに到着すると、ワークスペースに、足回りが組まれ、エンジンが仮載せした状態のフレームが置かれていました。出来栄えの素晴らしさに、驚くばかりです。

コブラ・マーキュリープロジェクト       コブラ・マーキュリープロジェクト

ただ、リアのショックのフレームマウントに、強度的な不安があるのでは?と代理会社の池田氏が指摘しました。負荷の集中する取り付け部分が、左右それぞれ一点支持では?と言う事に「なるほど確かに…。」と思えます。それを聞いたディーンは、即座に修正することを決定。左右のフレームを繋ぐビームを一本追加し、ショックの保持部分を前後から挟む構造に変更しました。

やはりディーンは職人です!私たちがが話している内容を聞いて、その通りだと感じ、このまま出すわけには行かない!と思ったのだそうです。「ディーンのカスタムカーは、どれもドライブ可能というのが身上だ!NOSを使う時にショックマウントに不安を感じるようじゃダメなんだ!」と言ってました。全く頼もしい言葉です。

エキゾーストに関してですが、フル・ステンレスにする事になりました。これも製作工程でやった方が、何かと効率的です。元々は、スチールで行くはずだったんですが、日本の気候を考えると、ステンレスのチョイスが、ベターと言うことになりました。

コブラ・マーキュリープロジェクト       コブラ・マーキュリープロジェクト

次に塗装の件ですが、クリアを2層多く吹く方法となりました。ディーンは、クリアを2層吹いて仕上げと考えていたそうですが、さらにその上に2層吹く方法を検討しています。この場合、2層よりも塗装作業もポリッシュ作業の回数も増えますので、追加が発生してしまうのですが、塗装と仕上がりのグレードアップを考えると、価値は高いと思います。金額も数百ドルでアップで済むでしょうから!

このあと、ビンテージエアー社製のエアコンユニットの選択、吹き出し箇所、及びセレクターの決定を済ませて帰国しました。

その、2週間後に、次のレポートが届きました。次の通りです。

今日はリアにアテウマがかけてあり、ボディーがほぼ水平の状態になっていました。路面に接地した状態よりもだいぶ高い位置にあるはずなのに、この状態でも長く滑らかなラインがとても良く確認できました。正直言って、かなりカッコいいです!!

コブラ・マーキュリープロジェクト

最初に「エアスクープが着いたから見に来い」と呼ばれて行った時は、一目見て「映画のクルマよりも大きくないか??」と感じました。で、資料と比べてみると、エアスクープ穴の高さが高い、サイドへ向かう切り込み角度が浅い、センターのポストが立ちすぎ、サイドのカットも立ちすぎ……などなど、ほぼ最初から作り直しに近い状態になってしまいました。ディーンと作業を行っていた人も交えて、細かく検証し、再度作り直した次第です。そして、これで大丈夫かと思ったのですが、これでもまだ完璧ではありませんでした。

ディーンのところで見たキャプチャー写真は、正面からのものが無かったので、エアスクープ両側の立ち上がり角度の確認が出来ていませんでした!会社に戻り再度キャプチャー画面を確認したところ、スタローンが運転しているシーンの写真を見て、エアスクープの両側の立ち上がり角度が製作中の車両よりもきつく立ち上がっていることに気が付きました。

というわけで、再度スクープを切り離して、両側の立ち上がり角度の修正を行い、現在の形状に辿り着くことができました。最終的に形状が出来上がったエアスクープは、スタローンが運転しているシーンの写真と比べても、ほぼ見分けが付かないくらい、よく仕上がっていると思います。

コブラ・マーキュリープロジェクト

完成したエアスクープは、とてもカッコ良く仕上がっています!映画の画面では良く見えないのですが、エアスクープも中心部に盛り上がったラインを形成しています。当時、「コブラ」の撮影スケジュールの都合から、このエアスクープ後部とエンジンフードの接点の段差を仕上げる時間が無かったそうで、そのまま塗装して納車されてしまったそうです。ディーンは当時、それが何とも許し難かったのだそうです。

しかし今回は徹底して仕上げ、このラインがボンネット先端から一直線にウィンドシールドへ伸び、さらにルーフトップまで連なり、とてもシャープなアクセントになりました。このマーキュリーを見ながら、「これが本来のあるべき真の「コブラカー」の姿なのだ!」と興奮気味に話していました!!

また一方ディーンは、「本来あるべき姿とは言えるが、映画の車と同じか?と言う部分では、違ったラインになっている。もしカスタマーが、どうしても映画と同じ段差が欲しいと希望するのなら、喜んで再修正するよ。」と言っていたそうです。ここも、自分本位では無い、真の職人魂を感じます。

もちろん映画のクローンより、「コブラカー」の本来ある姿の方が、喜ばしいので、ディーン入魂のラインを生かしての仕上げとなった訳です!

さていよいよ塗装が始まります!!



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